1/7
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ

俺はフィリアを 抱き抱えたまま 空洞の中に入った ━━━━━━━━━━━━━━━ : : : : : 「目を開けても大丈夫だ」 俺の声掛けに 強く目を瞑っていたフィリアは ゆっくりと目を開いた 「…綺麗…」 目の前に映る光景を見て フィリアは声を漏らした ━━━━━━━━━━━━━━━ 満開に咲き誇る色鮮やかな花畑 湖に囲まれた小さな教会 小さな木造の家 美味しい作物が育つ畑 夜空を見上げれば 満点の星々 ━━━━━━━━━━━━━━━ 俺は仕事に疲れると いつもここに来て 息抜きをしていた いつかの事 【秘密の俺の場所がある】 とフィリアに打ち明けた事がある 来たいと言っていたが いつも流していた しかし あの日【約束】をした 今日はその約束を 果たしに来たのだ ━━━━━━━━━━━━━━━ 「フィリア、教会に行かないか?」 俺の言葉に フィリアは目を輝けせて頷く ━━━━━━━━━━━━━━━ 湖付近まで俺達は来た 「教会までどうやって行くの?」 教会まで行きたいが 湖が広がっていて行けない 教会は湖を越えた先にある フィリアは首を傾げて考えている 「それなら大丈夫だよ」 俺は指を差した 指を差した場所には 木造のボートがある 「沈まない?」 「沈みません」 そんな冗談を言い合い 俺はフィリアの手を引いて ボートに乗り込む ボートを漕いで 湖に囲まれた教会に向かった
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!