さーびすとまんぞく

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さーびすとまんぞく

Sは、サービス Mは、満足 はいっ、復唱して。 エスは、サービス! エムは、まんぞく! この心を忘れずに。 いいですか? ハイッ! SMバー 『doggy doggy doggy』 今日もレイ女王様のお店は繁盛。 ケイジは客としてバーに飲みに来る。 店に入ると、床に正座している男が一人、入口横で出迎えた。 「ねぇ、コレ、レイさんの子?」 「ああ、3号さん。今日はみんなにたくさん見られて踏まれたいんだって。ちょっとだけ、踏んであげてよ」 「わかった。ねえ、3号さん、僕も、いいかい?」 3号は静かに頷き、おでこを床につけた。ケイジがゆっくりと後頭部に足を置き、革靴の底の硬さをねじ込むように負荷をかけると、ぐぅ、と3号は唸った。 「3号さん、かわいいね」 「でしょ?あの、プルプルのお腹も、たまんない。私のためにちょっとだけご飯を多く食べてるんだよ。ぜったい。」 レイは3号の傍により耳元でささやく。 「ね、そうでしょ?」 「はい。レイ様のためにプルプルにしています。」 「かわいい。すごくかわいいよ。みんなに踏まれて嬉しいの?こんなになっちゃって、3号は変態なのね。」 アイマスクをされ、手を後ろで縛られた3号と呼ばれるその男は、入口近くの床に正座をして、やわらかく手触りのよさそうなお腹をさらしている。そして、周りの音に耳をすまし、レイの言葉に耳をすまし、鋭く磨かれた感覚で快感を貪っている。 常に監視しながらレイは3号を『放置』する。ときどき、自分の気配だけを知らせては、通り過ぎる。 気まぐれに、ヒールで前腿に杭を打つ。いつ来るのかわからない快感を期待し、3号はレイが通り過ぎるたび体を震わす。しかしいつも期待は裏切られる。ただ、裏切られたあとの3号もまた、嬉しく震えているのだ。 凄いな、3号。 「ねえ、レイさん。3号さん、満足そうな顔だったね。」 「うん。あの人、スゴイよ。貪欲すぎて、ときどき、こっちが負けそうになるの」 「つらいねぇ。でも、最高だね・・・」 いつもとほんの少し違うケイジの様子に、レイはしっかりと気づく。さすが女王様だ。 「うん、そうね。ケイジ君、私とちょっと飲まない?」 レイはケイジを特別に気に入っている。自分と同じ空気を持っているが、まだ少し未熟な彼を、放っておけないのだ。 店内にいるM達がケイジとレイの並ぶ姿にうっとりと視線を送る。最強の女王様と、若くて美しいS男がソファに座る姿、眼福だ。 しかし、彼らについている女王様に見つかり、それぞれ、ちゃっかりお仕置きをいただく。なんとも幸せな空間。 「あのさ、一人さ、いい子がいるんだけど、ちょっと大物で。てこずってる。」 「へぇ、それは素敵ね。どんな子?男の子?女の子?」 「男。大きくて、賢くて、良く鳴く。」 「その言い方。うふふ。」 「会社の同期なんだけど、はじめはさ、僕を絞めあげて、生意気にさ。結構やんちゃだなって。でも、表情で、あれ?って思ってね。もういっかいやられたときに、お仕置きをしたんだよ。そしたらさ、思った通り、すごく良くて。」 「会社か~なんかそそるね・・・」 「でね、僕さ、ちょっと楽しくなっちゃって。」 「何したの?」 「おしりをね、打ったの。オフィスで。」 「wow!なにで?」 「あのさ、会議とかで使う指示棒。伸びるやつ、あの銀色の。」 「素敵!!でも強烈ね、その鞭は・・・その子、泣いたんじゃない?」 「いやいやいや、すごく、よく『鳴いた』よ。それに、手加減してるし、あいつ、鍛えてるから頑丈だし」 「何が困るの?いいじゃない、見込み、あるでしょ。私もしたいくらい。」 「そうなんだけど、進まないんだな、これが。」 「まあ、初めてなら仕方がないわ。もしかして男も初めてかもだしね。怖がらせたら、だめよ」 「ああ、僕にちょっかいだすから平気だと思ってたけど、どっちも初めてなのかな。」 「たぶんね。」 「まいったなぁ。飼うって、セックスするより難しいよ。」 「そうね、特に君みたいな子たちは、出会いも少ないだろうし。その子、大切にしないとね。」 「はい、レイ女王様。」 主従 主人と奴隷 飼い主とペット SとM サービスと満足 どっちが奴隷なんだか。ね。 ね、まいっちゃうわね。 いっそのこと普通にヤッちゃったほうが良かったかな。 あら、それじゃ心までは満たせないじゃない。 うん、そうだね。確かに。 それにあの鳴き方、聞かせたいくらいだった。 やっぱり、普通より、こっちがいいんでしょ? もう、ホント、レイ女王様は変態なんだから。 ケイジ君もね、超絶、変態。私の男版みたい。 うふふふ。 うふふふ。 しゃあない、M様に満足してもらえるように頑張りますか。 おお〜がんばれ〜!かんぱ〜い! いえ〜い! よっしゃ今からケイジ様の鞭打ちタイムだ!早いもの勝ちよ!先着一名限定乗馬鞭! はい、さん!にぃ!いち!遅い!! 一等はツーさん!初心者ツーさん、初鞭めでとう! ケイジ、愛の鞭、打っちゃって! よーし!お前の尻は僕が貰った!思う存分鳴きやがれ! バシ!ビシィ! あっ あぁ! 遅れたやつはアタシらの縄でお仕置きだ!覚悟しな、クソ豚どもが!チャーシューにしてくれるわ! きゃぁーぁ わはははは! 笑って生きろよ、豚ども。 End
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