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プロローグ
僕はとことんついてない。
今もまた、あと一歩というところで電車のドアが閉まった。
これはまだいいほうだ、こないだの不運に比べれば。
今から1か月ほど前、冬の初め。
配信者である僕は、Twitterで「はねみい」にコラボ依頼DMを送った。
はねみい様
来月あたりにコラボ配信しませんか?
2人でゲーム実況とかどうでしょうか。
あなたの配信を見てなかよくなりたいと思っていたんです。
ご返事お待ちしております。
「はねみい」は、僕の憧れのVtuberだ。
いや、「推し」といった方がいいのかもしれない。
二つに分け、三つ編みにした茶色の髪。
高く、けれども頭に響かず、まるで僕を柔らかくつつんでくれるような優しい声。
黄緑色と、黄色と、そして白色の美しい羽根で覆われた美しいワンピース、
そしてそれを際立だせる太陽のような笑顔。
彼女の美しさは、それだけではない。
「女神のようなVtuber」を掲げるだけあって、本当に女神のような性格の持ち主なのだ。
あの性格に、何度救われたことか!
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