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「簡単ですが、朝ごはん作りました」
「……本当に作ってくれたんですね」
「え?」
「嬉しいです、食べます」
「はい、ではいきましょうか」
私へと
自然に差し出された
綾瀬さんの手に自分の手を重ねれば
そっと手を引きベッドから
起こしてくれてそのままリビングに行くまで手を繋いだ。
「……あの」
「どうかしました?」
「そんなに見られると、食べづらいです……」
向かい合って
作ってくれた食事を食べていると
テーブルに片肘をついて
私のことを甘い表情でじっと見つめてくる綾瀬さん。
「驚きです。好きな子が食べてる姿って、可愛くてずっと見ていられますね」
「っ」
あ、甘すぎる……
朝から、
というか昨日から続く
彼からの甘すぎる言葉の数々に
私の胸の鼓動はずっと高鳴りっぱなしだ。
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