プロローグ・第1章

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プロローグ・第1章

 プロローグ  「駄目だ!!!お前の絵なんて、30点だ!!」  悔し涙を浮かべる里崎。  しかし、この熾烈な「お師匠さん」との闘い、いや、DNAに組み込まれてしまった思いは、必ず果たさなければならない・・・  「たかゆき先輩の軌跡」  ある物語が終わり、そして、始まろうとしていた・・・ 第1章  里崎が、このちば市港区にある、ある雑居ビルの5階にある、「ふれあいサロン・ちば」と関わり始めたのは、もう15年も前のことだった。  元々、持病持ちだった里崎は、青年時代、大学を普通に卒業。  就職を氷河期ではあったものの、しっかり果たし、働いてはいたものの、あるきっかけでとんでもない病が発症、悪化し、入院までしてしまったのである。 その後、退院しても病状は一進一退、ズルズルと無職のまま、実家で齢ばかり重ねる不遇の時を過ごしていた。  友達はみんな、ほとんど関係が切れてしまい、何しろ急なことではあったし、年末年始に年賀状が大量に来てはいたものの、病状がかなり悪く、みんなに返事ができなかったのである。  そのまま一年過ぎ、二年過ぎ・・・  返事をしないまま時ばかり経ち、関わってくれる人が、一人減り、二人減り・・・ 毎日毎日ゴロゴロ過ごしていた里崎に、彼の父親は業を煮やし、ついに諭すようにいったのであった。
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