フィズ…フィズ

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静かな交差点に立つ僕らに… 小さな衝突音が聞こえた… 音は反響し街に響き上がる 二人は空を見上げ見える筈の無い… 星を眺めた… 明日の空を… 明日の星を見るかの様に… 衝突音は大きくなり… 僕らの幸せを祝福してくれていた… 反響する音に身を委ね… 風が僕の横を通り過ぎる… また大きくなった衝突音が… 横たわる彼女と共に鳴り響く… 紅く染まった彼女を見つめ… 紅い雫が瞳から零れ… 空を紅く染める… 想いは儚く泡のように… 消え逝くものとなった… 雨は想いを洗い流すかのように… 滴り僕の心を濡らして… 雨は泡を奮い起たせるかのように… 彼女への想いを湿らせた… 空に灯りが差せど… 日は無く 虹が掛かれど… 空はなく… 月が輝けど… 星は無く… 美しさは霞み… 安らぎを失い… 輝きは薄れ… 生への理由を亡くす… 泡は想いと共に消え逝く…
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