海月の橋(略)

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君は気付いてる? 僕が手を降っているのに。 膝下まで海に入ったんだ まだちょっと冷たいかな でも僕は乗ってるんだよ 月の橋に 君の場所から見えるといいな なんなら君もここまで来るかい? [暗いね 足を踏み出せないよ] [夜の海は危ないんだよ なんでそれを望んでるの?] 違うよ 望んでなんかないんだ ただ一歩を踏み出すだけだ 多分それで答えは出るよ ただ少しだけ 勇気を出せよ 君は気付いてる 足元に落ちてるガラス片を 裸の足を切りつけたのか? 月の光で輝き続けてるんだ 海の橋と同じ位に ワンピースの裾を押さえて ただ君は叫び続けるんだ [怖いね 一歩を踏み出せないよ] [ガラスと同じ位の橋に 一体どんな理由があるの?] 違うよ 意味なんてないんだ ただそこに乗りたいだけだ 多分何かが分かるんだ ただ少しだけ 何かがあるんだよ [よかったら一緒にこないか?] そう僕は手を伸ばす 躊躇する君 水嫌いの猫みたいだ [平気だよ] 僕は手を伸ばす 君に届けばいい 僕の手は君の肩に届く[一緒にいよう?] 君は頷くんだ 僕の肩に手を伸ばしながら ガラスみたいに光る橋を 君と僕と二人で目指した。 少し泣けて ずぶぬれになった。 二人で海月の橋に昇った 海に映った 月の橋に
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