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食事の後でマナが好きな食べ物は何か聞いてきた。
僕は2、3好きな食べ物を答えた。その日のマナとの会話はそれだけだった。
次の日も朝から忙しかった。工場は普通で夕方5時に終わり、忙しい時は夜中までかかる時もあった。
それでも誰も文句とか言わなかった。きっと、みんな社長とかが好きだったと思う。
工場が何時に終わっても、奥さん達は食事を待って居た。さすがにヒロキは寝ていた時もあったけれど、奥さんとマナは起きて待って居てくれた。
その日は8時くらいに終わった。
食事に行くと、食卓には僕の好きな物が並べられていた。
奥さんは笑いながら
「誕生日おめでとう」
と言ってくれた。
正直、泣きそうだった。
必死に笑顔を作ってありがとうと答えた。
その日は僕の話で盛り上がった。食事も美味しくて、最高の誕生日だった。
部屋に戻る時、マナにありがとうと言った。
昨日マナに言った物が並んで居たから、彼女がしてくれたと思ったから。
マナは…
「おめでとう。もうおっさんやな」
と言い、笑っていた。
笑顔は可愛いと思ったが、やっぱり生意気だった。
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