第1章

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「大丈夫だって。じゃあ、行ってくるね」  笑いながら家を出た。  外に出たとたん、むわっとした熱気に包まれる。私はハンカチをうちわ代わりにして仰ぎながら歩いた。  辺りにはあまり人影が見えなかった。時々思い出したように車が通らなければ、まるで自分以外の人間がいないかのような錯覚に陥りそうだった。  そんなことを考えながら歩いてると、後ろから自転車のベルの音が聞こえた。  慌てて端に避ける。振り向くと小学生くらいだろうか、4、5人の男の子たちが笑いながら楽しそうに自転車をこいでいた。
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