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流れる風景。
座席から伝わる心地よい振動。
電車に揺られながら、私は首を回して窓を見た。
短く切りそろえられた髪の下にある一重の細長い目。
心なしかその目は少し赤いように見える。
私はそれ以上自分の顔を見たくなくて、視線を再び窓の外に移した。
暦の上ではもう秋に入ったとこの前テレビで言っていた。でも、まだまだ照りつける日差しは強く、まったくそんな気配はしない。
そんなことを考えていたら、遠くにトンボが飛んでいるのが見えた。
赤トンボかな……。
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