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「千、行ってくるがよい。そして己の目で見届けよ。お前の父の生き様を、侍の本当の姿を―――…」
「お館さま…千は、…千歳はこの目で確かめて来ます。この世がどう動くのかを」
――…
「千、お前、浪士隊の徴集に応じて京に行くってのは本当なのか?」
「祥…」
私は出羽の山奥で育った。町にはほとんど下りずに『忍』として今までお館さまに育てられた。父は侍であまり会うことはなかった。それでも同じ忍の母は小さい頃から私に侍のことを教えてくれた。
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