六日目

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・ ・ ・ ・ 『海、と名乗る少年がこちらをお邪魔していますね?』 潤子は、一瞬躊躇ったが素直に頷いた やはり、と社長はため息を吐いた 『いや、三週間前程から姿を暗ましましてね』 『はぁ…』 『実はあいつは私の愚息でして』 潤子は目を見開いた 『ここにいる、秘書も私の息子です』 紹介を受けて、秘書がペコリと頭を下げた 『海の兄の、及川陸です』 『お兄さん…?』 『海は昔からヤンチャなガキでしてね』 社長が続けた 『1ヶ月くらい前に突然金を貸してくれと言ってきまして、何だと聞いたら、海のやつ…自分の女を孕ませてしまったと』 『は…!?』 潤子は声にならない声で驚いて、口をパクパクさせた 『そして、金を受け取るとスミマセンと一言残し、消えましてね。孕ませてしまった彼女のご家族にも一度詫びを入れねばならないのに、海が居ないとどの女の子かわからなくてねぇ……あ、いや、まぁ…そんな事はこちらの事情ですから置いておいて。本題にいきますと、』 社長が一通りしゃべりおわると、秘書がアタッシュケースを持ち出した 『こちらはお詫びの気持ちで、小波さん、受け取ってくださいますね。』 強調された語尾は強制的だった 早い話、入って居たのは手切金 『うちの愚息が、大変なご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ない』 そう言って、仕事があるからと、社長と秘書は帰っていった
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