絶対君を抱いてみせる!

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  「…ぷっ。あはははは!!何を言うかと思えば、そんな、天地がひっくり返ろうとありえないことを!! あっははは!!」 「笑ってられるのも今のうちだね。…せいぜい、嫌われないように頑張りなよ」 「へーい」 俺は笑い過ぎて、涙目になっていた。 あっはー! 腹いてー。 暫く歩くと学校に近くなり、登校する女の子達が俺に集まってくる。 「えっ、もしかして、優くん…?」 「そうだよ」 営業スマーイル。 みんな優等生スタイルの俺を見て、唖然としていた。 「なんか、変だよぅー」 「優じゃないみたいじゃーん」 「あはは。ごめんね。今狙ってる子がさ、こっちの方がいいって言うから」 「狙ってる子?」 「うん。一年の渡辺さん」 「え、優に落ちなかったの!?」 「そうなんだよねぇ…」 みんながえー!!と叫ぶ。 俺が落ち込んだようなそぶりを見せると、みんなが渡辺さんを非難しだした。 「そいつバカなんじゃないの!?」 「優はこんなにカッコイイのにー!」 「ありがとう、みんな」 ニッコリと微笑むと、みんな頬を赤く染めた。 バカは君らだよ。 ちょろいちょろーい! 「ごめん、俺いくとこあるからさ、先に行くね。また後で」 「「「また後でねー!!」」」 俺は蒼の肩を叩き、走り出した。 蒼も格好良い部類に入るので、こうやって俺が離れると次は蒼に興味が向けられるのだ。 でも蒼は女が苦手だから。 謝る代わりに肩を叩いていった。 さーてと。 渡辺さんとこ行かなきゃ! 俺は一年の教室に走った。
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