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僕が好きな人の中の僕は
とっくに死んでいた
心どころか存在さえもが
虚しくも消え果てて
哀しみの涙は溢れ出し
僕の希望を圧し流した
心中の深い闇に眠る怪物が
うめき声をあげ自殺していた
気がふれなくて済んだらしい
跡形も無く溶けたらしい
愛情が欲しかっただけなのに
残ったものは寂しい暗闇
嘘でも幻でもかまわない
ただ愛で心の隙間を埋めたかった
深い
暗い
光は無く
愛も無い
辛い
寒い
人は亡く
愛も無い
何も分からなくなった
此処にあなたはいない
陰鬱な世界にて生きる僕には
それだけが真実だった
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