序章

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「今回は少ないな」 「仕方ないですよ。心が良い子供なんてあまり存在しないのですから」 小さく蝋燭一つに火が灯された部屋で、サンタのような白いひげを生やし、フレームが小さい眼鏡をかけている。定番の魔法使いが着そうな黒い服に身を包み、大きなアンティーク系の椅子に座っているちょっと大きめな老人と暗闇で姿は確認できないが、若い男性一人が、一つの机の上に何十枚の紙を見て話をしていた その紙には履歴書でよく見る人が写っている小さな写真が貼られている。その何十枚の中から、老人は三枚の紙を若い男性の前に差し出し見せた 「頼むぞ。この地球と言う世界の日本と言う国にこの3名だ」 「はい」 三枚の紙を手にした男性はその紙に貼られた写真を見る。 一人は茶髪のツンツンヘアが特徴で、学ランを身に纏った少年の写真。その横には名前が書かれている。名を幾斗(いくと)・・・ 二人目の写真には薄茶色の肩まである短い髪にセーラー服をまとった可愛らしい少女が優しく微笑んでいるように写っている。少女の名は雫(しずく)・・・ そしてもう一人は黒髪のサラサラヘアの髪の短い少年。スーツに似た制服を身に纏い、冷酷そうな無表情で写真には写っている。少年の名は冬弥(とうや)・・・ 三人は心が良いという理由で選ばれた者たちの一部。 若い男性はしっかりと紙を亡くさないように持ち替え、その三人を迎えに行くために老人がいる暗い部屋をあとにした この三人を巻き込む大きな物語がスタートする
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