009 広報部

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「会長さん、達也なんか忘れちゃいな。」 「……え?」 達也が去った保健室には優しく微笑む篠田先輩と、達也へのモヤモヤした気持ちを引きずる翔の二人が残された。 「達也はね、中等部の頃から会長さんラブだったんだよ」 そういう篠田先輩の顔は微笑んでいるが、声はどこか冷たかった。 「…なんで、そんなことを知っているのですか?」 僕が聞くと 「んー?」と返事を返して髪を弄りながら、少し身をかがめて達也がさっき座ってた椅子に先輩は、ゆっくり腰をおろす。 「だって、俺、広報部部長だもん」 そう言う先輩はニヤニヤと笑っている。 僕はというと、開いた口が塞がらない。 つか、ってことは、────あの記事とか全部先輩が!? 一気に青くなった顔をあげて、先輩を見れば相変わらず笑っている。 (なんなんだよ、こいつ)
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