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「会長さん、達也なんか忘れちゃいな。」
「……え?」
達也が去った保健室には優しく微笑む篠田先輩と、達也へのモヤモヤした気持ちを引きずる翔の二人が残された。
「達也はね、中等部の頃から会長さんラブだったんだよ」
そういう篠田先輩の顔は微笑んでいるが、声はどこか冷たかった。
「…なんで、そんなことを知っているのですか?」
僕が聞くと
「んー?」と返事を返して髪を弄りながら、少し身をかがめて達也がさっき座ってた椅子に先輩は、ゆっくり腰をおろす。
「だって、俺、広報部部長だもん」
そう言う先輩はニヤニヤと笑っている。
僕はというと、開いた口が塞がらない。
つか、ってことは、────あの記事とか全部先輩が!?
一気に青くなった顔をあげて、先輩を見れば相変わらず笑っている。
(なんなんだよ、こいつ)
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