プロローグ

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俺は、この町に帰って来たくなかった。 十年前、ある一人の少女が行方不明になった。 昔、良く遊んでいた女の子… 名前は…駄目だ… 覚えていない… いや…名前は聞いて無かったかも知れない。 俺の後ろを良く付いて歩く女の子… 女の子はいつも一人で公園で遊んでいた。 公園に行くと、すぐに駆け寄り俺と遊んでた。 ところがある日を境に女の子は公園に現れなくなった。 大勢の大人達が、俺に『女の子はどこに居る?』 と聞いて来た。 今なら分かる… 大人達は警察や女の子の両親なのだろう。 俺は公園で女の子を待っていた… 幾日も虚しく過ぎて行く… やがて両親の都合で、別な土地へ引っ越しする事になった。 何だかこの町に忘れ物を残したような… だけど、二度と帰って来てはいけないような… まさか…、もう一度この公園に来る事になるとは思わなかった。 《イヌちっくMyエンジェル》
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