序章

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  今日、俺は古い本を拾った。 「…?なんだこの本」 道端にぽつんっと置かれていた古びた本。道行く人は誰も拾おうとしない。いや、見えていないかの様に次々と通り過ぎて行く。 俺も初めは不思議に思ったが…哀しいかな…本の方が気になってしまったので拾う事にしたのだ。   間近で見るそれは結構な厚みを持っていた。だが不思議と重さを感じない。 表紙には魔方陣らしきモノが描かれている。   俺は表紙を捲って見る事にした。   ぺらっ   中にはこう書かれている。   〈この本をご覧になる際には最低でも2人以上のご友人とご覧になって下さい〉   …何を言ってるんだ? 俺は更に捲ってみた。   ぺらっ   …そこには何も書かれていない。次も、その次も白紙。 「一体何なんだよコレ…」   ぱらぱらぱらぱら……   結局一枚目以外には何も書かれてはいなかった。 「これ…本当に2人以上居れば見れるのかなぁ…」 何故だか分からないが好奇心が、理性を上回ってしまった様で押えが効かなかった。 「友人を2人以上…か。よし。手当たり次第に声掛けてみるかな」  
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