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狸は本当に怒っていた。
「宗。もう一度聞く。ワシがお前に言った事憶えておるか?」
狸に怒られていた宗は、居ずまいを正し、真剣な顔で、喋り始めた。
「大切な人を最後まで守れ。それができたら、お前は誰よりも強い男になれる。」
「そうじゃ。お前に取って大切な者は薬嗣じゃないのか?その者を自分以外に任せるなんぞ言語道断じゃ!」
ぺしっ!狸が宗の頭を叩いた。………今変な会話が飛び交わなかったか?
「狸。」
「なんじゃい!」
「俺が、宗の大切な者ってどういう事だ?」
狸はキョトンとした顔になった。
「何言うとる。小僧と宗は、天界で将来を約束した仲じゃぞ?宗。お前、言ってないのか?」
………将来?て、ドウイウコトデスカ?
「……はい。言う機会が無くて……。」
俺は宗の言葉を受けて、今までの疲れと、不可不思議出来事で俺の身体は、限界点を突破し、そのまま意識を失った。(今日は二度目)
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