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第二章 ~張本人~
夜が来た。囚人達は一日の作業が終わると7人で共有する窮屈な部屋…、いや部屋と呼ぶにはふさわしくないコンクリートの独房に入れられる。
監守A:「何をしている!モタモタしないで早く自分の小屋へ帰れぇ!!」
この場所での監守の言うことは絶対だ。そのためどんな些細なことでも規則を破ってはならない。それを良いことに監守達は囚人達に過酷な仕打ちを行う。
監守A:「貴様らは国や家族から捨てられたゴミだ!存在価値なんてないんだよ!それを生かしてやってるんだからありがたく思え!!」
監守達は毎日のようにこのセリフを繰り返し、念をおして囚人達に罵声をあびせる。しかし今日の夜はいつもと違った…。新しく入ってきた囚人の一人が口を開いたのだ。
:(…ゴミはどっちだ。)
監守A:「誰だぁ!?いま口を開いた奴はぁー!!?」
いっせいに声がした方を囚人達が目を向ける。そこには一人の小柄な囚人が立っていた。髪は奇妙な輝きを放つ銀髪、目は憎悪さえ感じさせる紅い瞳、そして異様なほどに落ち着いていた…。
監守A:「貴様ぁ!囚人番号を言えー!!」
:「…囚人番号70526-1」
監守は半笑いをしながら口を開いた。
監守A:「ククッ…そうだった。お前はココが初めてだったな?…ならば教えてやるよ。ロウヤでの生き方をなぁー!!」
声を張り上げると監守は腰に差してある警棒を振り上げた。…その時、一番奥にある独房から声が聞こえ、その行為をとめた。
:「その辺にしとけよ~。俺達も弱い者いじめは好きじゃねぇ~からよ~。」
一番奥の独房は特別だ。監守達はそれを知っている。振り上げた警棒を震えさせ腰に戻し、そうして何事もなかったように囚人達を指定の独房へ入れた。
監守A:(貴様ぁ…覚えておけよ…。)
そう言い残して監守はその場を立ち去った。
しかし、次の日に思いしることになる。ロウヤの本当の恐ろしさと特別視される【あの男達】の正体を…。
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