対峙

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暗闇から現れた人物。 いつの間にか莉乃の真後ろに立っていた。 その顔を、隆也は忘れてはいなかった。 「―――!てめぇっ!!」 「また会ったね。タカヤ」 莉乃を後ろから抱き、涼しい顔をしている。 女たちが騒ぎそうな美形。 千尋だった。 「…ッざっけんな!よく俺の前に現れたな!」 再び殴りかかろうとすると 「おっと!」 と、ふざけた調子で莉乃の影に隠れる。 さすがに莉乃に当てるわけには行かず、腕を引っ込める。 「危なぁい」 からかうような笑いが、怒りを再燃させる。 「オマエがこの男に頼んだのか?」 莉乃に聞くと千尋が答える。 「そうだよ。こっちは大変だったんだから」
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