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村に響く、鶏が朝を告げる鳴き声。
その声で、目を覚ます、一人の少年。
彼の名は、沢田 隼人(さわだはやと)。
親のいない、孤だ。
産まれて間もない隼人は、親に捨てられ、この山奥の村に一つ家を持ち、一人生活をしていた。
村は畑や田が多く、全体が協同のため、食糧は普通に分けて貰っていた。
一人では、多いくらい、豊富にある。
普通に水道だってあるし、何より家が在る。
別に、困る事はない。
自ら、他の人々の田や畑を一緒に耕したり、家畜の世話もしたりと、いろいろな手伝いをしている。
しかも、その腕もなかなかのものだと、言われている。
言わば、何でもこなす、助っ人屋だ。
そんな隼人も、18歳という、年になる。
もう立派な青年だ。
更に、小さい時から、何かと働いていた為か、かなり、がっしりとした体型になっていた。
そんな何でも無い一日に、彼は彼女と出会う事になる。
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