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皆が生徒会に勤しんでいる時に、私は横田さんという彩音さんのおばあさんの代から、執事を務めている人とお茶を楽しんでいた。
ヨコタ「こうして、皆様がまた泊まりに来て下さって嬉しゅうございます。」
ミヤ「急にこんなに大勢で押し掛けてしまって、迷惑じゃなかったですか?」
横田さんはにっこり笑って答えてくれた。
ヨコタ「彩音お嬢様は、生徒会の皆様がとてもお好きなようで、皆様がお泊まりして下さる事が嬉しいとおっしゃっておられました。私共も同じ気持ちでございます。」
ミヤ「そう言って貰えて、少し胸のつかえが取れました。実を言うと、私のせいで皆を巻き込んでしまったんじゃないかと思っていたので…。執事の皆さんやメイドさん達にも、迷惑になっていないか、気になっていたんです…。」
ヨコタ「美弥様はお優しい方ですね。彩音お嬢様がおっしゃっておられた通り、どこか…さくら様に似ておられる…。」
ミヤ「さくら…様…?」
誰だろう…?
ヨコタ「彩音様の従姉妹にあたるお方で、心のお優しい、芯の強い方です。」
彩音さんの従姉妹…。
ヨコタ「今はオーストラリアに留学しておられますが、孝太郎様達と共に生徒会を務めておられた方ですから、孝太郎様達もよく御存じですよ。」
横田さんの言葉に、ふと昨晩、衛土先輩の定期入れから出てきた写真の中の綺麗な女の人が、頭に浮かんだ…。
あの人が…さくらさんなのかな…?
ミヤ「さくらさんって彩音さんとはまた違う感じの綺麗な人ですか?」
ヨコタ「御存じなのですか? 確かにさくら様は、彩音様とはまた違う雰囲気を持たれたお綺麗な方です。」
やっぱりあの人が、さくらさんかもしれない…。
「お話し中失礼致します。執事長、料理長がお呼びです。」
メイドさんに呼ばれて、横田さんは会釈するとテラスを出て行った。
もっと話聞きたかったな…。
何故か心にモヤッとした想いが残った…。
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