始まり

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  カーテンの隙間からの木漏れ日。 外からの雀達のさえずり。 朝だ。 赤い目覚まし時計が、午前7時を刻んだ。 カチッ 『オラ起きろ相良ー!!朝だー!!起きろこの野郎!!』 「…うー…煩い…」 俺は耳を塞ぎ、寝返りをうつ。 すると今度はカーテンを全開にされた。 まばゆいほどの朝日がいっぱいに差し込む。 『起きろー!!』 『起きろー!!』 「眩しい…」 布団を被り、もぞもぞと動く。 すると今度は窓をコツコツ突く音が響いてきた。 『相良!起きる!』 『相良!お腹空いた!』 『相良!』 「…うー…!!あーもうわかったよ!!」 ガバッと起き上がり、頭をわしゃわしゃと掻き乱す。 低血圧の僕は朝がきつい。 パジャマが勝手に脱げ、クローゼットが勝手に開く。 中から制服が出てきて、俺の体に装着された。 「ありがとう」 『どう致しまして』 そう、僕には 動物や物の声が聞こえるんだ。 物にも命が宿る。 だからこうやって動くこともできるんだ。 その物と話せたらの話だけどね。 僕は部屋を出て、カチューシャで髪を上げ、洗面所で顔を洗う。 『相良、前髪分ければいいのに』 『カッコイイのにねー』 「しょうがないよ。母さんが怒るんだから」 『飲んだくれの母親?』 『お水の母親?』 「煩いなぁ」 僕はムスッとしながら、歯を磨き出す。 母さんは今部屋で酔い潰れているだろう。 最近顔すら見ていないが。
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