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遠い遠い昔。
ソコは、争いの絶えない世界だった。
人は人を傷付け、隣人は隣人を恐れ、子供が大人を襲う。
終りの見えない憎悪、果ての無い悲しみ…負の連鎖でこの世の全てはバラバラになっていた。
…それから、どれだけの歳月が過ぎた頃だろう。
この争いに終止符を打つ者が、遂に現れた。
その者の活躍により、その時代は終わりを告げ人々は新たな時代の幕開けを迎えた。
そして、彼は世界で唯一の王となった。
王により統治された世界で、人々は平和な日常を過ごせるようになった。
…しかし、人は一人一人皆違う。
いつかまた、バラバラに散ってしまう時が来るだろう。
その時、争いも生まれるだろう。
王は、再び争いが生まれぬ用に…また人が同じ過ちを犯さぬ為にと、王は一つの決断をした。
王は、一度一つにした世界を、また分ける事にしたのだった。
王はその基準として、自身が世界を見て回った時に思い、感じた、人々の内にある様々な思想と同じ数だけ世界に国を創ろうと考えた。
そして王は、人々の中から三十八の人を選び出した。
王は、自らが選んだ三十八人それぞれに国を与え、統治させた。
世界は、三十八の王によって動かされるようになった。
三十八の国々に分けられた世界で、人々は自分の暮らしたい思想に合った国を自由に選べた。
それから、幾年かの月日が過ぎ、王も代わっていった。
世界は平和に、穏やかに時を過ごしていた。
そして、王の中の一人…“破壊の王”と呼ばれる王が次の王を選ぶ事を告げた…
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