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海斗は、尚樹がいなくなるのを確認してから春菜に近付く。
「…高城さん。」
春菜は、布団に包まったまま顔を隠して沈黙していた。
「先生に俺達付き合ってるって言っといたから。」
海斗がそう言ったのを聞いて、春菜は布団の中から慌てて起き上がった。
「…なっ…なんで……」
起き上がった春菜が座るベッドに手をつき、
春菜に顔を近づけクスクス笑いながら海斗は囁いた。
「どうせ別れるんだから…早めに先生に教えてあげようと思って。」
春菜は信じられないと思いながらも、海斗を睨んだ。
「…最低です。」
そう精一杯の恨みをこめて海斗に呟く春菜の目には、
涙が溜まっていた。
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