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その日は、本当に平凡な一日だった。肌寒い日が続く十月の、ふと秋空の広がる日で、そよ風の吹くゆっくりな時間が流れていた。 その日は、本当に平凡な一日だった。連日の不幸なニュース。強盗、詐欺、逝去。そんなものがメディアを騒がせない、平和な一日だった。 ――不意に、遠くではじける爆音、閃光。まだ誰も気付いていない。 だがやがて、穏やかがかき消される…。 隆平の自宅には、テレビが一台あった。 薄型やら地デジやらが話題のこの時代、そのテレビは完全に浮いた醜態をさらしている。『粗大ゴミは捨てるのにも金がかかるから』とただ同然で親戚からもらった代物だ。
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