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「何だ、一体何をした!?」
イラマニチェフが目に見えて焦り出す。
離れて見ている狼もどきとなっているアンドレエフも動揺していた。
「変身すると、脳もゴリラ並みになるわけ?
私があなたなら、いつまでもこうしてないけどね」
「…………!
くそっ!」
イラマニチェフがすぐに後ずさり、後ろに飛んで一瞬で離れる。
「どういうことだ……。
かなりのダメージを受けていたはずが……」
「さっき飲んだ薬が、やっと効いてきたのよ」
何事もなかったかのように起き上がると、イラマニチェフは完全に動揺していた。
「あの薬か……。
答えろ、あれは一体何のための薬だ!」
「まあ、簡単に言えば『本気を出すため』の薬ってとこかしら。
スレイヤーの本部の幹部は『龍呼』と呼んでいる独自の呼吸法で身体のリミッターを外すのに対して、薬で抑え込むわけ。
さっき飲んだカプセルはこの任務の前に飲んでおいたリミッターの薬に対する解毒剤ってことよ」
「くっ……、ふざけるな!
リミッターを解除したところで俺とお前の力の差を埋め切ることは出来ない―――」
「なら、早く殺してみなさい」
単純な挑発に、焦りと怒りの混じった叫びを上げながらイラマニチェフが近づき、巨大な腕をこちらに振り下ろす。
それを横に避け、床にめり込んだ腕に飛び移った。
そして、それを踏み台にしてイラマニチェフの顔面に飛び蹴りを当てる。
イラマニチェフの首が弾け、肥大化した身体ごと吹っ飛んでいく。
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