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海斗の家の玄関の前に座って帰りを待つ。
帰ってきたら、楽しいパーティーの始まりだよ、海斗♪
私がいるのに、何で他の人のところに行こうとするの?
私がいるのに、何で私だけを見てくれないの?
駄目だよ。
あの人のところには行かせない。
海斗は私の…私だけのものなんだから。
トンッ…トンッ……
独特な靴の擦れる音。
あの音をさせるのは、海斗しかいない。
ゆっくりと私は立ち上がった。
「…愛?」
!!!
「ど…どうしたんだ!?その格好は!!」
「…おかえり。すっごく待ちくたびれたよ。」
海斗の顔が恐怖で引きつっている。
無理もない。
私の目の周りと唇と爪は真っ黒だし、瞳は真っ赤に染まっているから。
私は悪魔に魂を売ったのだ。
魂と引きかえにしてでも、海斗を自分のものにするために…!
そう…あの古びた本は、紛れも無く黒魔術の本だった。
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