序章 《伝説》

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序章 《伝説》

ある日、空から幾千もの剣が舞い降りた。   ある日、地から幾千もの刀が突き出でた。     空から現れたその剣は、白く、激しく輝いていた。   地から現れたその刀は、黒く、静に煌めいていた。     誰かが言った。 「空より現れしその剣、天界に住まう神々らが創りし聖なる武器である」と。   誰かが言った。 「地より生えしその刀、冥府に住まう魔王らが造りし魔なる武器である」と。     人は、聖なるその武器を『聖剣』と呼んだ。   人は、魔なるその武器を『魔刀』と呼んだ。     人々は、聖なる剣を崇め、欲した。   人々は、魔なる刀を嫌い、拒んだ。     ────伝説は、まだ始まらない。
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