初めての夜の世界へ…

自宅

明るい……

昨日はいろんな事があった。
自宅に帰って来ていろんな事を考えた。
やると決心はしたものの俺は喋りが上手い訳でもないし笑いが取れる訳でもない。

どんな世界かも分からない所に飛び込むのも怖い。
誰に相談して良いのかも分からない。

1人で考えたあげく兄貴に相談する事にした。

真っ昼間から携帯で兄貴に電話した。
コールが鳴ってる間、俺は怒られないか心配で仕方が無かった。

『もしもし…良だけど相談があってさ』

『なにか？』

『駅で寝てたらホストにスカウトされて……』

兄貴はすぐに馬鹿かと言ってきた。
やっぱり認めてはくれないよな、と思いながら棟さんの話をして説得してみた。
兄貴は信じれるならやってみればと言ってくれた。

『おかんには言わないでな』

『言うわけないだろっ』

その一言が俺の心を完璧に動かしてくれた。

それから、毎日夜の商売の先輩である兄貴にホストとはどういうものなのかを聞く為に電話をし続けた。

『良…ホストは甘い世界じゃないぜ』

兄貴の一言を肝に命じながら自宅の片付けをし始めた。