浮遊

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何かに取り付かれているかの様に ライブステージで 歌う 彼から 感じるのは 孤独と叫び 彼の魂は…地面に着く事のない、空気中を漂う浮遊物 それを理解できない 観客は 黄色の歓声をあげる きゃー あき! こっちを見て! 素敵! あきは歌いながらステージの向こうに居る彼女に語る 詩穂…聞こえるかい?、 君の為に歌うよ Last-love 八方に交差する七色の照明と会場内の空気まで響くようなギターやドラムのリズムの中 甘くやさしい、あきの歌声が 観客の心を震わせ叫びとなる ステージに立つ彼に聞こえるのは 一つだけ 彼女の声だけ ねぇ あき… 来月は きっと 会いに行くから …今度は 絶対に 約束守るね… ねぇ あき…
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