最後の日・明け方
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薄靄の立ち込める、湿った朝。まだ空は夜の名残を離さない。 薄明るい平凡な町の中に、昔を懐かしむような古い店があった。 そのビルとビルに挟まれた小さなドアから、誰かが出てくる。 ギイィィと、イメージ通りの重い音を立てて閉まるドア。 「今日で、最後か…」 靄の中に溶けかけた人影の呟きは、誰にも聞かれぬまま朝の町に吸い込まれた。 _
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