7943人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
綺麗な夜景の前。細川 心(高校教師)は、木下 亜紀(生徒)と2人でその場所にいた。
この2人はお互い想いを寄せている。
教師と生徒という関係……歳の差11歳。世間では、この恋は『いけない恋』だ。
シンは生徒である亜紀が自分に想いを寄せていることを知っていた。
もちろん亜紀は生徒な訳で、教師の自分が危ない橋を好きな相手に歩かせてはいけないと考えていた。傷つけたくない、辛いおもいをさせたくない、亜紀の告白を聞いてちゃんと断るつもりだった。
自分の気持ちを押し殺して。いや押し殺さなくてはいけなかった。
だが亜紀に告白される時、心がゆらいで途中で告白を止めてしまった。
告白できずに、亜紀は泣きじゃくり……彼女は拒絶されたと思い大粒の涙を流した。
このまま突き放せば何もなかった、恋人同士になんてならなかった。
なのに、シンは泣いている亜紀を見ていることができず……自分の気持ちを抑えることができず……。
抱き締めて『好きだ』と伝えてしまう。
愛しくて愛しくて、言ってはいけない言葉を言ってしまった。
そして、亜紀も『大好き』と伝えた。
シンはリスクがあると分かっていて、亜紀を選んだ。傷つけると分かっていて、普通の恋とは違うと分かっていて、結ばれた二人。
そこはゴールではなく、新たなスタートだった。
最初のコメントを投稿しよう!