第1章 「運命の日」

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 「ってぇなコラァ!誰だテメェ!」  「三年の金山だよ、忘れたとは言わせねぇぞ」 上級生?しかし、俺はこんなヤツ知らねぇぞ。 それにしてもこの先輩、金と名のつくものに余程縁があるのだろうか…  「この歯は先週テメェに折られたから差し歯にしたんだよ!」 先週?……あぁ、思い出した。確かいきなり因縁つけてきたからぶん殴ってやったヤツか…  「おい先輩、アンタいきなりこんな上等かましてきやがったんだ…、何されても文句はねぇよな?」  「上等だコラ、やってみろよ後輩!」 時間にしたら三分ほどだろうか、トイレの扉を開けて出てきたのは勿論この俺だ。 中には個室便所の中で、洋式の便器に頭を突っ込んで、犬神家の一族の有名シーンの様になった金山先輩が気を失っている。
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