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「…………………………」
「…………………………」
(絶対に負けんぞ!!相手が目をそらすまで負けんからな!!)
僕と彼女は数分間にらめっこしていた。
街中を歩いている人達は馨を変な目で見ている。
「あの人さっきから何にガンつけてるのかしら?」
「さぁ?でもカッコよくない?」
馨は周りが騒がしくなったので悔しいがその場を立ち去ることにした。
「今日は負けたけど次会った日は覚悟しとけよ」
僕は彼女に指差して立ち去った。
その女の人は馨の後ろ姿をジッと見つめて消えてしまった。
「ねぇ知ってる?ここで女の人が交通事故で亡くなった話?」
「知ってる、知ってる、なんでもクリスマスの日に彼氏の所に向かってる途中でトラックに跳ねられたらしいわね」
「そう、それでクリスマスの日が近づいてくるとそこの店の前に現れるみたい。彼女はとても悲しそうな表情をしてらしいわ、なんだか可哀想よね」
「ええ、もしかしてさっきの男の人、その女の幽霊見てたんじゃないの」
「まっさか」
彼女達は笑いながらその場をあとにした。
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