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三千世界の鳥を殺し
主と朝寝がしてみたい
昔むかし、誰かが歌った詩。
凄く、惹き寄せられた。
この差別の多い世の中。
智夏(チカ)…お前と2人だけの世界ならば。
(……、…)
「ん…っ、こ…うき?」
「起こしたか…?」
「んーん…。自分で起きたぁ…」
「そうか…」
目を擦る仕草も、半開きになった唇も、服がずり落ちて露になったその肩も、全部、全部が愛おしい…――
「おはよう、智夏」
「…オハヨ、昂樹」
眠たそうにする智夏を見て、少し罪悪感が湧いたけれど。
目覚めたての智夏に、ついばむ様なバード・キスでも送ろうか
三千世界の鳥を殺し
(世界中の鳥を殺して)(静かな、静かな朝が来たのならば)
主と朝寝がしてみたい
(もう一度、布団に潜り)(もう一度、智夏を抱き締めたい)
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