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次の日俺はまだ少年院生活にはなれてはいなかった。
そんな俺に大事件が起きた!!
何と世話役の藤代君が体調を崩して倒れたのだ!
先生はすぐに藤代君を医務室へ連れていった。
俺は藤代君が心配だった。
少したってから俺は先生に言われた。
「藤代はちょっと何日か帰ってけえへんからそれまで一人で頑張れよ。」
最悪だった。
世話役の藤代君がいないなんで俺は不安でいっぱいだった。
世話役というのは新入生が和泉学園の生活の流れを全て把握するまで二個一で生活する存在で、入り立てでいきなり世話役なしで生活しなければならないのはカナリ厳しい事だった。
だけど俺はまだ藤代君と少ししか接してはいなかったが感謝していた。
世話役と言っても先生に言われてやっているだけかもしれない。
でも俺は藤代君は心を込めて一生懸命教えてくれてるように思えた。
だから俺はささやかな恩返しではあるが藤代君が帰ってくるまでいつも藤代君の部屋を掃除してあげていた。
俺は藤代君以外誰も信用していなかったから他の奴に絶対頼りたくなかった。
だから俺は藤代君が帰ってくるまで誰にも頼らず頑張ろうと決めた。
そして集会の場でもいつまでも黙っていたくなかった。
その日俺は初めて手を上げ発言した。
しかも二回発言した。
カナリぎこちなかったがアドバイス、指摘を発表する時に紫雲寮一思いやりのある山本君にここをこうしてくれるのが親切で僕も見習おうと思うのでこれからも続けて下さいというのと、上級生の渡川君にあの時注意してくれてありがとうと言った。
ぎこちないけど入ってきたばかりで発言する奴は少なかったから俺は言えたのが嬉しかった。
でも俺の次に入ってきた生野君は普通に発言していた。
俺は生野君をすごいと思った。
今まで真面目で俺達と全く違う世界で生きてた人間がいきなりのこの訳のわからない環境に堂々と対応しているからだ。
そして外では威張っていた不良は堂々としていなくて何だか不思議な気分だった。
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