黒子

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「あれ?ホクロ?」 【神崎 綾子】は 自分の右手の甲に 一つの小さなホクロが あることに気が付いた。 「こんなとこあったけなぁ~?」 最初は特に関心はしなかったが 翌日になって綾子は気付いた。 「えっ……手首にホクロが……」 昨日あった場所にホクロはなく 手首に新しいホクロが出来ていた。 いや移動していた。 「動いて……る?」 綾子はホクロをじっと見た。 ススッ 「あっ!」 さすがに音はしなかったが ホクロが動いたのを確認出来た。 動きはナメクジより遅いが 綾子は怖くなった。 これは病気なのか? それとも気のせい?夢? このホクロはどこへ 移動しているのか? そして私は死ぬのか? だが こうしてる間にも ホクロは動きを止めずに 動いてるだろう。 綾子は今 着ている パジャマを脱ぎ捨て 箪笥とクロゼットから 服とジーパンを出して 急いで履いた。  
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