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新人
『ちょっと、新人の君!』
編集長は未だ新人である俺の名前を覚えていないのか、そう呼ぶとこちらに向かって手招きをする。
『君、明日の菊池佳苗さんの取材に付き添ってくれないか?』
その後、編集長は仕事を覚える為と付け足すと、俺の先輩にあたる高田貴宏を呼び出した。
『彼と行ってもらうから。』
初めての取材は、この典型的ナルシストと行かなければならないようだ。
彼は背はすらっと高く、痩せ型だが必要程度の肩幅があり、小さく整った顔立ちは誰もが羨むようなものであった。
現に、女性関係の噂であまりいい話は聞かない。
たまに、首にかかる程の長さのストレートな黒髪をいじくる程度では、ナルシストと呼ぶには不十分であろうか?
俺のイメージなど浅はかなものだ。
現地までは彼の車で行く事になった
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