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そして夕食を終えると、浹は買ってきたショートケーキを取り出した。
それを見て、二人が驚く。
「私達の好きな…」
「…懐かしいな。よくお前作ってくれたじゃないか」
「ええ…。…明日久しぶりにケーキも作ろうかしら」
「それは楽しみだ」
白い皿にショートケーキを乗せ、また三人で一緒に食べる。
テレビなど点いていなくとも、リビングは賑やかだった。
「母さん、父さん、一緒に寝てもいい?」
「ええ」
「ああ。久しぶりだな、誰かと一緒に寝るのも」
「そうね」
三人は全員別々で寝ていたが、今夜だけは父の大きなベッドで寝ることにした。
真ん中に浹を挟み、足の先まで温かくなる。
浹は幸せそうに微笑みながら、二人よりも先に眠っていた。
その寝顔を見て、二人は微笑む。
「…ねぇ…二人目、次の日が休みの時につくらない?
もし私達が忙しくても、浹がきっと面倒見てくれるわ。それに…浹も淋しくない」
「久しぶりだから激しいかもしれないぞ?」
「あら、望むところじゃない」
二人は笑いながら、眠りに就いた。
大事の息子を抱きしめながら…。
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