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翔の周りを囲んでいた人達のせいで姿は見えないが、この声は…
「ハァハァ…しょ、翔……無事か?」
息を切らしながらやってきたのは、…トム。
いきなりの登場にみんな固まってしまい、トムはクラスメート達を押し分けて目の前に来る。
その顔は、真剣そのもので、こないだの出来事を思い出してしまう。
「な、なにが…??」
困惑しながら聞けば、トムは安心したのか、その場で後ろにぶっ倒れる。
運よく、トムの後ろには翔の周りを取り囲んでいた人達の何人かがいて、床に倒れることなく押さえてもらえたけど…
「席着けー」
するとそこに三宅(担任)が入ってくる。もう、朝学活の時間になっていたのだ。
(え…こいつどーにかしなきゃ………)
細かいことはとにかく、倒れてしまったならしかたない。
こういう時は…
「えっと、あの、友達が倒れちゃって…保健室に連れていきます」
「お、そうか…高瀬一人じゃ辛いだろ、誰か手伝ってやれ」
ちょうどトムを押さえていた二人が三宅に言われて翔の後をちょこちょこついてきた。
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