022 綾上 亮太

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「あ、あの…」 保健室へ向けて教室をでて少し歩くと、トムを担いでいた二人のうち、髪が長くてお人形さんみたいな感じのなんだか綺麗な人が、心配そうな顔をして話しかけてきた。 「えっと…はじめまして、」 大分痛みも抜けてきた腰を押さえながら、できるだけ笑顔で答える。 「ど、どうも。 はじめまして…えっと、…体の調子が悪いのだから、僕たちだけで安藤君、届けましょうか?」 「ん、いいよ。 元々トムは僕に用があったようですし、少し経てば目も覚めるでしょうから…一緒にいようかと思いまして」 それにしても、あのトムの真剣な顔…… 何があったんだろう… 息を切らしながら入って来て、いきなり「無事か?」って… あんな張り詰めた顔、襲われた時以来だな… ─そんなことを思いながら下を向いて歩みを速めた翔に、 さっき翔に話し掛けた、長い髪を持った彼は何かを考えるように目を向けた。
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