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「それじゃあ、黎明の方程式を調べるのに、手掛かりはあるんですか?
時間が限られてるのに、1から調べるなんて無理ですよ」
ステラの問いに、カレルはまたも頷く。
「ゼロは黎明の方程式について、全て知っていた。
そして、黎明の方程式について知ったのは、リザが死んだあの遺跡。
つまり、その後調べたことで、説明出来ることが多いはずだ」
「……一緒だったカレル先輩が知らないのは、少しおかしくない?」
もっともな疑問だが、カレルはあっさりと首を振る。
「手分けしてたからな。
知ったことを黙ってたんなら、おかしくはない。
それに、それも手掛かりの1つだ」
その言葉に、カタリナとステラは意図が分からず眉をひそめる。
「嘘や隠し事をする時、上手くやりたいなら、そこに真実も紛れ込ませるもんだ。
つまり、黎明の方程式について何か分かった場所、そこに行けば、ゼロが隠していた真実が見えてくるはずだ」
カレルの説明に、カタリナとステラは得心がいった様子で頷く。
「黎明の方程式について分かった場所といえば……」
ステラがそう呟きながら視線を向けると、カタリナは大きく頷いた。
「わたしの故郷だね」
その言葉に頷き、カレルはアイナへ視線を向ける。
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