エピローグ

5/6
54835人が本棚に入れています
本棚に追加
/670ページ
「それじゃあ、黎明の方程式を調べるのに、手掛かりはあるんですか? 時間が限られてるのに、1から調べるなんて無理ですよ」 ステラの問いに、カレルはまたも頷く。 「ゼロは黎明の方程式について、全て知っていた。 そして、黎明の方程式について知ったのは、リザが死んだあの遺跡。 つまり、その後調べたことで、説明出来ることが多いはずだ」 「……一緒だったカレル先輩が知らないのは、少しおかしくない?」 もっともな疑問だが、カレルはあっさりと首を振る。 「手分けしてたからな。 知ったことを黙ってたんなら、おかしくはない。 それに、それも手掛かりの1つだ」 その言葉に、カタリナとステラは意図が分からず眉をひそめる。 「嘘や隠し事をする時、上手くやりたいなら、そこに真実も紛れ込ませるもんだ。 つまり、黎明の方程式について何か分かった場所、そこに行けば、ゼロが隠していた真実が見えてくるはずだ」 カレルの説明に、カタリナとステラは得心がいった様子で頷く。 「黎明の方程式について分かった場所といえば……」 ステラがそう呟きながら視線を向けると、カタリナは大きく頷いた。 「わたしの故郷だね」 その言葉に頷き、カレルはアイナへ視線を向ける。
/670ページ

最初のコメントを投稿しよう!