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俺は今冬休み、しかもクリスマスイブだというのに学校にいる。
正確には階段を登ったすぐの窓際によしかかっている。
外を眺めると雲一つない星空。
流石にホワイトクリスマスとはいかないな……と、一人で嘲笑を浮かべる。
ちなみに俺は帰宅部。
休み中に学校には本来用はない。
その上部活動も昨日から休みなので部活生さえいない。
全く人気のない学校に一人立ってコーヒーを飲んでいる俺
相変わらず、コーヒー好きは治らないな……
前に彼女に飲み過ぎは体に悪いと言われたからやめようと思ったのに……
でも、彼女の一言を思い出して、やっぱり飲んでしまうんだよなぁ……
初めて話したのもコーヒーの話題だったし。
色々な思い出が浮かんでは、消える。
気のせいか胸の辺りがうずく。
原因がわかっている俺は、胸には触れずに開いている左手を固く握り締める。
すぐに収まった胸の痛みと同時に左手を開放する。
ため息をついて、コーヒーを飲みながら当てもなく周りに視線をやる。
…………?
赤い物体が階段の踊り場にある。
あの場所は……
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