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1.
寒い冬が訪れ、僕はまた一つ歳を重ねた。
それは一年を無事に過ごせた証。
でも、僕の中にある気持ちは嬉しく思うココロと裏腹に哀しいと思うココロが存在している。
そう、僕の中に眠るもう一人の自分の感情がそこに在ると知ってしまったから。
ーもう気づく以前には戻れないー
僕はそう感じていた。二年前のあの事件がきっかけになるまでは…
†††††
僕は桐生疾風(きりゅう はやて)。今年CG系の専門学校に入ったばかりの学生だ。
入学時にこれからCGについてしっかり勉強していくと心に決めたのに、まだ高校生だった頃の気分が抜けない。
勉強も机上で先生の説明聞いていても自分で遊んで覚える僕には不向きだし、今更ながら何で学校に入ったのかわからない。
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