人生最大の転機

2/5
53760人が本棚に入れています
本棚に追加
/361ページ
  「――父さんの会社が……倒産した」 それは衝撃の一言だった。 突然リビングに呼び出され、いつに無く真剣な表情を浮かべる両親を見ると、ただ事ではない話だとは理解していたつもりだ。 つまらないダジャレかと思ったが違った。表情から分かる、紛れも無い事実。 今俺は、軽くパニックに陥ってる。 「……じゃあ、俺達の生活はどうなるんだ?」 聞いてはいけない事を聞いてしまった気がする……。 今の言葉を口にした直後に、激しく後悔した。 「いや、大丈夫だ。少なくともお前は」 どういう意味だ親父? じゃあ俺はどうなるんだ? そう尋ねようとしたが、さっきの事もあり、出そうとした言葉が上手く喉を通らない。 俺の頭は、完全に思考停止状態に陥っていた。
/361ページ

最初のコメントを投稿しよう!