運命の日…3月16日。

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運命の日…3月16日。

日付が変わったその一時間後、私は携帯電話の着信音で目が覚めた。彼からの電話だった。 「うん…うん…いいよ…帰っておいで」 腹痛が悪化したうえ熱まで出てきたというので帰ってくるよう伝えた。普段仕事に関しては自分に厳しい彼が早退したいというからには相当辛かったのだろう。 隣で寝ている遥華を起こさないようそっとベッドから降り、帰ってきた彼にご飯と薬を出し、早々に寝ることにした。風邪かもしれないからと彼・私・遥華の順に三人並び横になる。時間は夜中の三時を過ぎていた。 しかしそれから間もなくして今度は遥華の泣き声で目が覚めた。いつもの夜泣き。オムツを取り替えベッドへと戻り、横になりながらおっぱいをあげる。普段は体を起こした状態であげていたのだが、この日は疲れていたのか…。横になりあげながら眠ってしまった。窓のカーテンの隙間からは光は射し込んでおらず、朝日が昇る前だった。 それが、最後に見た遥華の姿だった…
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