始まり

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僕は犬。 ご主人は居る。 さっき僕を箱に入れて何処かへ行ってしまった。 かれこれ2時間はたっているがどうしたのだろう? 今すぐ探しに行きたいのだけど箱が大きくて中々越えられない。 すると子供がこちらを覗きこんでいる事に気付いた。 何やら「カワイイ」としきりに言っている。 僕はそんな名前じゃない、まだ付けられた名前は無いけどそのうちご主人がつけてくれる。 頭を撫でられるのはそんなに悪い気分では無いけどね。 子供達は飽きたのか、何処かヘと去っていった。 次に大きい大人達が見ている。 何やら色々しゃべっているなと思ったら僕を抱きかかえた。 しかし今度は頭を撫でてくれる訳じゃなくトラックに乗せようとしている。 むむ、車で連れて行かれたらご主人を待てないじゃないか。こら、猫掴みをするな、僕は犬だ。 身をヨジって腕から逃れようとするが逃げられない。 随分と犬の臭いの染み付いた荷台に乗せられて車は発進してしまった……。
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