3章

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噂をすれば、なんとやら―――‥‥ ちょうどその時、『他の奴ら』がやってきた。 「すまんち!遅れてもうた」 久松喜代馬と、岡本八之助だ。 「先生と話しょうたきに。‥‥誰じゃ?」 相当急いで来たのか、肩で息をしながら弁解がましくそう言った久松は、顔をあげて初めて遼香に気付く。 「ほら、岡田さんのあれですよ。柳生遼香さん」 「あー、噂の。噂には聞いちゅう。強いがゆーてな」 そうかそうか、と久松は遼香の背中をバシバシと叩いた。 されるがままになっている遼香は、久松の後ろに座りこんでいる岡本に話しかける。 「あの‥‥」 大丈夫ですか? きっと睨まれて、その言葉は飲み込んだ。 てか、何で睨まれないといけないんだ! 「ほっといた方が良か。体力ないだけじゃき、だらしなか」 「情けないんだ」 「そうはっきり言わんでも‥‥」 久松、遼香、森田、それぞれの発言は、ぐさぐさっと岡本の心に突き刺さるものが含まれていた。 「後で、殺、す‥‥」 「あんたが殺すのは、佐一郎」 彼は地を這うようなおぞましい声を出そうとするものの、息切れしながらだとさすがに恐ろしさはこもってない。 ひとつも恐くない言葉を正論で返したのはもちろん遼香だ。 「あんたらが早く来ないから、あたしまで駆り出されちゃったよ」 .
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